鹿島槍・八峰キレット・五竜 ― 感情のピークを越えて

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登山日:2023年8月22日

登山には、不思議な引力がある。僕を引き寄せるその力が、次なる目標を北アルプスの後立山連峰に定めていた。鹿島槍ヶ岳、八峰キレット、五竜岳――名前だけでも心が躍るが、それを日帰りで縦走するというのは、ただの冒険を超えた挑戦だった。

車で片道5時間以上かけて登山口の扇沢へ。暗闇の中、午前3時半に柏原新道をスタートした。ヘッドライトの明かりが頼りだったが、整備された道は足を進めるには十分だった。空が白み始める頃、種池山荘に到着。稜線から見た景色は息を呑む美しさで、僕の疲れた体を少しだけ癒してくれた。

ヘッデンで柏原新道を進む
モルゲンロート
虹色に光る雲が流れる

鹿島槍ヶ岳 ― 最初のピーク

鹿島槍ヶ岳の北峰に立った瞬間、僕は心の中で静かにガッツポーズをしていた。かっこいい山。それが僕の第一印象だった。そして、簡単には行けない山に自分の足で到達した喜び。登山者なら誰でも憧れるこの山に立てたことに、言葉にできない充実感があった。

尾根が雲の切れ間から見える
鹿島槍の感動

しかし、その達成感に浸る間もなく、次の試練が待っていた。八峰キレットだ。


八峰キレット ― 冒険心と克服

キレットに入ると、目の前に広がる岩場と切れ落ちた崖が僕を現実に引き戻した。慎重に一歩ずつ進むたびに、自然の圧倒的な力を感じる。恐怖と緊張感が混じり合う中、それでも僕の中には「これを超えたい」という冒険心が確かにあった。

岩場
キレットは鎖やはしごがある
雲の中にキレット小屋が見えた

10時45分、キレット小屋に到着。少しの安堵感とともに、振り返ると自分が通ってきた道が遠くに見えた。その瞬間、「僕はここを超えたんだ」と確信し、克服の喜びが心に満ちた。


五竜岳 ― 最後の試練

五竜岳への道のりは険しかった。岩場を掴み、登り降りする道は、まるで冒険映画のワンシーンのようだった。インディージョーンズのテーマ曲が頭の中で繰り返し流れる中、僕は何とか五竜岳に到着。時計を見ると14時過ぎだった。

もう、ヘロヘロだった。体力は限界に近い。それでも、五竜山荘から見た景色は僕に最後のエネルギーをくれた。そして、最終ゴンドラに間に合わせるため、走る決断をした。

ライチョウ登場
五竜岳の頂上

ゴール ― 挑戦を終えて

遠見尾根を駆け抜け、ゴンドラに乗れたのは16時10分。間に合った安堵感と疲労感が一気に押し寄せ、しばらく動けなかった。

帰り道は予定していた電車とバスには間に合わず、タクシーとバスを組み合わせて扇沢に戻った。追加の費用は痛かったが、あの挑戦をやり遂げたと思えば安いものだ。達成感と疲労が入り混じる不思議な満足感を感じながら、僕は家路についた。


今回の登山には、3つの感情のピークがあった。鹿島槍ヶ岳での喜び、八峰キレットでの克服感、五竜岳での達成感。そして、それぞれのピークが僕を次の挑戦へと駆り立てる力になっている。

次は、大キレットか、不帰キレットか。それともまた別の山か。僕の足はまだ、歩き続けることを望んでいる。

1day鹿島槍・八峰キレット・五竜[扇沢から五竜テレキャビンへ] / ふみさんの白岳(長野県)西遠見山爺ヶ岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

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