北アルプス・立山連峰の主稜線を歩く①

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多くの登山者がそうであるように、僕もまた北アルプスの稜線に強く惹かれてきた。なかでも、特に心を引き寄せてやまないのが立山連峰だ。

立山は、僕にとって「人生に迷ったとき、何かを終えたいとき、そして新たな一歩を踏み出すとき」に訪れる特別な場所である。

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今回の登山を計画したのも、これまで積み重ねてきた努力に一つの区切りをつけ、自分がこれから進むべき道を確かめたかったからだと思う。いわば「人生のリスタート」。その思いを胸に立山連峰に惹かれるのは、自然なことなのだ。

一般的に立山連峰は、薬師岳から剱岳までの稜線を指すことが多い。今回僕も、折立から入山し、薬師岳山荘、五色ヶ原山荘、剱山荘に泊まりながら剱岳を登頂し、最後は黒部アルペンルートで立山駅へ下山する計画を立てた。

物語は、ここまでの自分を振り返るところから始まる。ただ「こうすればよかった」という後悔ではなく、「よく頑張った」と自分を認める振り返りだ。本当は努力が必ずしも成果に直結するとは限らない。けれど、努力を続けてきた自分を肯定したいと思う。そうすれば、薬師岳やスゴ乗越を越えて歩くうちに、新しい目標が自然と浮かび上がってくるだろう。いつもそうだ。山を歩くと頭の中が整理され、山頂に立つと大きな達成感に包まれる。登山には、思考を整理し、自己を肯定する力がある。僕自身、山を歩くことで進むべき道が見えてきた経験を何度もしてきたし、同じ思いの人も少なくないはずだ。

やがて立山雄山に至る。立山連峰の主峰であるこの場所が、一つの区切りとなる。ここでこれまでの感謝を胸に、明確になった目標を言葉にし、新たな努力を誓いたい。

そして、次に目指すのは剱岳だ。剱岳は人を拒む厳しさと、人を成長させる挑戦性を併せ持つ山である。なりたい自分に近づくためには、この山頂を踏まねばならない。その瞬間、僕の心にどんな景色が広がるのだろうか。

いま、そんなことを想像しながら、この登山計画を練っている。

――立山連峰を歩くことは、過去から未来へと続く旅なのだ。

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