登山日:2025年3月31日
「今シーズン、雪の乗鞍岳に登りたい」——そんな思いを持っていた。
もともと3月23日に登る計画を立てていたが、天気は荒れ模様。山は逃げないとはいえ、この時期にしか味わえない残雪期の乗鞍岳に、なんとか登っておきたい気持ちは強かった。
中止を決めたあと、逆に気持ちは高まった。行けなかったことが、行きたいという気持ちをさらに膨らませていた。多少天気が悪くても、今回は挑戦してみよう。そう決めて再び天気予報と向き合い、再計画した。
“山頂風速15m/s以下ならGO”という自分ルール
再計画にあたって、1つの基準を設けた。
「山頂の風速が15m/s以下なら行く」
この日は風速10m/s予報。天気図や詳細なピンポイント天気を確認し、登山日を3月31日に決定した。
実際、現地に到着したときの気温はマイナス8度。雪は締まっており、登りやすさを感じる一方で、ピークが近づくにつれ、空の様子が徐々に怪しくなっていった。


肩ノ小屋から先、世界が変わった
肩ノ小屋から剣ヶ峰へ向かう途中、突風が吹き荒れ、時にはホワイトアウトも。
姿勢を低くし、耐風姿勢でやり過ごしながら慎重に進む。体感の風速は明らかに予報を超えていた。止まると一気に体温が奪われる。気温はマイナス10度ほど。緊張感の続く登りだった。
山頂では写真を少し撮る程度で、余裕はなく、すぐに下山開始。だが、帰りの方が厳しかった。
風で自分のトレースも消え、ガスで視界もなく、進む方向すら分からなくなりそうになる。GPSを頼りに方向を確認しながら、肩ノ小屋までなんとか戻った。
「これが10m/sの現実か……」と、心の底から感じた。


安全ラインの再定義
登山前は「15m/s以下なら行ける」と思っていたが、それは机上の計算だった。
実際に経験して分かったのは、10m/sですら十分に厳しいということ。安全マージンを考えると、冬の場合は最大でも10m/s以下を行動限界としておくべきだと感じた。
(予報はあくまで、平均風速を示しているので一時的に予報よりも強い風が吹くことがあります。)
天候は味方にも敵にもなる。登りたい気持ちが強いときほど、冷静に判断するための“自分ルール”が必要だ。今回はギリギリのところで帰ってこられたが、次はもう少し手前で引く判断も忘れずにいたい
[北ア]乗鞍岳 3月末〆 / ふみさんの乗鞍岳・朝日岳(長野県松本市)・蚕玉岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

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